|
|
|||||||||||||||||||||||||||
「仕手株」というと危険でダークイメージがありますが、株式市場で売買されている個別の銘柄の株価の値動きを見てみると、急上昇している時もあれば急落したり、狭いレンジ相場で値動きが少ない時もあります。トレードスタイルが買いの投資家は、上昇相場では何を買っても儲かるのですが、下落相場では高値掴みになってしまい、振るい落としから、損切り(ロスカット)や狼狽売り、塩漬けという最悪のパターンになってしまいます。株式投資で利益を出したいと考える投資家は、相場の流に乗ろうとしたり、将来どのように相場が動くかという予想をするのではなく、自分たちの投資資金で狙った銘柄を動かそうとします。短期間に投資資金を効率的に活用して利益を出すには、狙った銘柄の株価を急騰させたり、空売りを利用して急落させるなどの相場操縦的行為によって、仕手筋が保有しているポジションに大きな利益が出るように意図的に株価を動かすことが最も勝率の高いトレード手法になります。 仕手株の「仕手」という言葉の語源は、能の花形という意味で、花形役者がお客さんを魅了するように、仕手株も投資家や証券関係者を魅了します。仕手筋(投機筋・Speculator)と呼ばれる投資グループが巨額の投資資金を武器に、安値で仕込んだ(買い集めた)大量の建玉を高値で売り抜けるために強引に株価を吊り上げていきます。発行済株式総数の5％超を取得した場合は、5日以内に大量保有報告書ないしは変更報告書を提出しなければ、金融商品取引法に違反しますので、複数の証券会社の異なる名義の証券口座から注文を出していきます。インターネットが普及した現代では、ヤフーファイナンスや２ちゃんねる(2ch)などの株式投資掲示板(インサイダー)、Facebook(フェイスブック)やTwitter(ツイッター)、mixi(ミクシィ)などのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)、ブログなどに買い集めようとする企業の悪い噂やデマを流すなどの「風説の流布」を行うこともあります。 株価が急騰している銘柄を仕手株と呼ぶのではなく、会社業績が赤字決算が続いて「継続企業の前提に関する重要事象」や「継続企業の前提に関する注記」が解消されず、監理銘柄や整理銘柄(ポスト)となり上場廃止となる可能性があるボロ株、業績の悪化や赤字続きではあるが将来性はある企業など、出来高が少なく、株価が安値で放置されている銘柄が仕手株化するパターンが多いのが特徴です。低位の仕手株という表現が、株式投資の雑誌や新聞、インターネットのニュースに使われることが多く、機関投資家と呼ばれる大口投資家や海外のヘッジファンド、S氏、年金資金、投資信託などが買っている時価総額の大きな優良銘柄を仕手筋が買い・売り介入することはありません。政治家や暴力団、やくざ(山口組、稲川会、関東連合)、大企業の社長や取締役(役員)、弁護士、医師、公認会計士、税理士などの資産家(富裕層)などからも資金提供を受けているとされる仕手筋ですが、ブラックマネーやマネーロンダリング(money laundering 資金洗浄)などの資金もあり、マスコミも注目する大勝負は警察(証券取引等監視委員会)も動く可能性もあり難しいでしょう。 昭和の仕手戦では、会社の乗っ取りや、仕手株に手を出して借金を作ってしまったり、追加証拠金(追証)の差し入れが出来ずに強制決済されてしまうケースが多く、投資家保護の観点から信用取引の規制が強化され、仕手筋の介入により売買が過熱すると、証券取引所は貸株注意喚起銘柄、貸株申込制限銘柄、日々公表銘柄などの処置により、仕手株化している銘柄の売買に対して注意を呼び掛けます。それでも売買の過熱感が収まらない場合は、委託保証金率を引き上げて取引を制限していきます。新規の空売りの停止、委託保証金率を引き上げにより、一時的には急落する仕手株もありますが、株不足から高額な逆日歩が発生している場合は空売りの損失が急拡大することから、更に株価が急騰するケースもあります。空売りを評価損益の拡大、高額な逆日歩の支払いへ持ち込むことを「踏み上げ」と呼び、仕手筋や提灯筋、リスクマネーなどによって、全力で浮動株を買い上げていきます。 松井証券が個人投資家向けに少額の保証金で信用取引ができるようサービスを開始してから、SBI証券やマネックス証券、カブドットコム証券、楽天証券などのオンライン証券も個人向け信用取引サービ提供していますが、昭和の株取引では信用取引ができるのは、野村證券や大和証券、日興証券などの大手証券の１部の顧客に限られていました。証券会社に差し入れる保証金や担保も数千万円～数億円と言われ、個人投資家が仕手戦で売り方にまわり、踏み上げられて負けた場合は、追加証拠金が払えずに借金をしたり、担保に差し入れた家や自動車、オートバイ、宝飾品、貴金属、美術品、マンション、不動産、ゴルフ会員権、有価証券などが差し押さえられてしまいます。現物株と信用買いは損失が限定的ですが、空売りの損失は理論上は無限ですから、仕手株化している銘柄に売り方が空売りを仕掛ける場合は、負けた時に全財産を失う覚悟も必要になります。 昭和の仕手戦などを戦ってきた仕手筋や相場師と呼ばれる投資家は、誠備グループの仕手戦で「兜町の風雲児」とマスコミに取り上げられた加藤暠氏、日本橋信用や誠備投資顧問室、泰山、旧誠備、藤紘、真大倉、新しい風の会、時々の鐘の音、般若の会(Ｋ氏銘柄)などの投資研究会を結成しています。相場師として高額所得納税者ランキング(長者番付)で１位になった是川銀蔵、山崎種二や野村徳七、笹川良一、川上貞奴、福沢桃介、近藤信男、大神一、卍の会、太田収、岩本栄之助、石井定七、李嘉誠、伊東ハンニ、鈴木久五郎、本間宗久なども相場師として歴史に名を残しています。明宝の会や盛風の会、箱根クラブ、BNF、タワー投資顧問、ミハイル・ジョウダン、村上世彰など昭和から平成の相場師も数多くいます。 【株式投資情報の免責事項について】 【株式投資情報】は無料で提供されており、証券会社投資の勧誘を意図しておりません。サイトを利用したウェブサイトの閲覧や仕手株銘柄情報収集については、情報がユーザーの需要に適合するものか否か、株式投資情報の保存や複製その他ユーザーによる任意の利用方法により必要な法的権利を有しているか否か、著作権、秘密保持、名誉毀損、品位保持および輸出に関する法規その他法令上の義務に従うことなど、ユーザーご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。当サイトの御利用につき、何らかのトラブルや損失・損害等につきましては一切責任を問わないものとします。 当株式投資情報サイトが紹介しているウェブサイトやソフトウェアの合法性、正確性、道徳性、最新性、適切性、著作権の許諾や有無など、その内容については一切の保証を致しかねます。 |
||||||||||||||||||||||||||||