逆日歩とは
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逆日歩は、売買が過熱し売買ボリュームが脹れあがる事により株不足が発生した場合、証券会社が証券金融会社から株を調達することになりますが、証券金融会社でも株を調達できない時は、機関投資家や投資ファンドなどの大株主から株を調達することになります。この時に株の品貸料をつけた上で株を調達することになり、株の品貸料は信用取引の空売りをする売り方が負担することになります。売建てた売り方が買い方に支払う品貸料を逆日歩と言います。
逆日歩が発生している銘柄は、何かしらの悪材料が出ているケースが多く、空売りを行うことにより売り方は株価を下落させて、安値で買戻して利益を得ようとします。しかし、株不足から高額な逆日歩が発生すると売り方が買い方に支払う品貸料により利益を圧迫する場合があります。逆日歩は、土日や祝日の休日も計算されますから、高額な逆日歩が発生している状態で株価がレンジ相場で動かない場合は、売建てた売り方が苦しくなります。
売り方の逆日歩のインパクトが強くなっている状態で買い方が大量の現物買いを入れることにより、含み益が減り、損失が拡大する売り方は買戻しをするしかなくなることから、逆日歩が発生している銘柄は、企業の業績や株価材料とは別に需用関係で株価が急騰するケースが見られます。高額な逆日歩発生銘柄(逆日歩計算)を買い進めて、売り方に買戻しを強制することを「踏み上げ」と言います。
【仕手筋は空売りを踏み上げて、高額の逆日歩を発生させます】
逆日歩が発生すると売り方が苦しくなることから、資金力のある仕手筋や特定資金、ヘッジファンドなどは買いを入れ続けることにより、売り方の買戻しを誘って株価を急騰させます。過去の昭和の仕手戦でも大量の買いにより空売りをする株を調達することができなくなった売り方が踏み上げられ、負けてしまうという仕手戦が多数ありました。理論価格など関係なく上昇する株価に売り方は買戻しをするしかありません。
仕手戦を仕掛ける仕手筋は仕手株化させる銘柄を安値で玉集め(仕込み)して、あるタイミングで大口の注文を連発させて、他の投資家に仕手株化する可能性を示していきます。仕手筋が大量の資金で仕手株させる場合に買い方となるのは、売り方で売り崩しを狙っても株不足になると逆日歩・踏み上げのダブルパンチを食らう恐れがあるかです。また、大型株を売り崩そうとしても機関投資家が相手では負ける可能性があります。
仕手筋は低位株で、信用売残や信用倍率から株不足が発生しやすく、高額な逆日歩が付きやすい銘柄を選んでいきます。浮動株比率が低く、大株主が安定株主、業績も安定しており、割安で放置されている企業がターゲットになります。ある程度まで株価を上昇させれば、個人投資家も参入して売買が膨らみますので、売り方の買戻しが加速して仕手株化、株価は大暴騰します。逆日歩は仕手株化の可能性がある銘柄として、投資家に注目されているです。
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