風説の流布とは |
風説の流布とは、株式等の有価証券の価格変動を目的として虚偽の情報を流す行為です。事実ではない嘘の業務提携や業績の上方修正、増配、株式分割、新製品の開発など投資家が株価の値上りを期待するような情報や、企業の倒産や上場廃止、粉飾決算、減資、減配などの株価が下落するような情報を意図的に流して株価を変動させることは金融商品取引法で禁じられています。
金融庁の証券取引等監視委員会が風説の流布の監視を行っており、インターネットの掲示板(ヤフーファイナンス、2ちゃんねる等)やSNS(mixi、Facebook、ツイッター(twitter)等)、ブログ、サイトなどで風説の流布を発見した場合は、証券取引等監視委員会に風説の流布を通報することができます。
風説の流布は、株価の変動を目的として虚偽の事実を流すことですが、株価の変動を目的としない情報を流した場合は、金融商品取引法の「風説の流布」には該当しないので、違法性があれば業務妨害罪等が課せられます。金融商品取引法上の「風説の流布」の罪に問われると、10年以下の懲役、1000万円以下の罰金となります。
法人の代表者や取締役、従業員などが風説の流布を行った場合は、両罰規定によって法人に7億円以下の罰金刑となります個人でもインターネットの掲示板に悪戯で書き込んだつもりでも、株価の変動に影響を与える虚偽の情報であれば厳しく罰せられます。
【ライブドア事件における風説の流布】
風説の流布で有名な事件としては「ライブドア事件」でしょう。東京地検特捜部が証券取引法違反の疑いでライブドア本社や堀江貴文氏の自宅などを家宅捜索した時の容疑は、偽計取引と風説の流布という、証券取引法に違反するのではないかというものでした。ライブドアマーケティングが2004年10月にマネーライフ社を株式交換で買収すると発表されましたが、実際はライブドアが実質支配する投資事業組合を利用して現金で買収したのではないか?そして、株式交換で渡すはずだった株式は、企業買収による成長への期待からライブドアの株価は上昇、その株価の上昇したことによる利益が実質的にライブドアに入っていたのではないかということでした。
【金融商品取引法 第158条 風説の流布、偽計、暴行又は脅迫の禁止】
何人も、有価証券の募集、売出し若しくは売買その他の取引若しくはデリバティブ取引等のため、又は有価証券等(有価証券若しくはオプション又はデリバティブ取引に係る金融商品(有価証券を除く。)若しくは金融指標をいう。第168条第1項、第173条第1項及び第197条第2項において同じ。)の相場の変動を図る目的をもつて、風説を流布し、偽計を用い、又は暴行若しくは脅迫をしてはならない。
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