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世界最大の資産運用会社である「ブラックロック・ジャパン」が登場 |
2008年のリーマン・ショック以降、100円台の安値で放置され続けていた「東都水産」ですが、アメリカに本拠を置く世界最大の資産運用会社である「ブラックロック・ジャパン」が保有比率を引き上げたことが買い材料になっています。ブラックロックの登場による安心感から株価は急騰、9月12日に162円だった株価は2営業日後には294円の年初来最高値を付けています。300円を超えてくればシコリ玉のない真空地帯に突入すると思われましたが、利益確定の売りや空売りによる冷やし玉によって株価は300円付近に蓋を被せられています。
また、これまで信用売残が10万株を超えることはありませんでしたが、株価急騰に伴い空売りが増加し信用売残は200万株を突破し、短期間で空売りが20倍以上に増加しています。8月には174倍の買い長というアンバランスな状態でしたが、信用倍率は2.89倍まで改善しているので、大量に積み上がった空売りを踏み上げていく展開になるのか?
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総資産250億円、自己資本103億円ですが時価総額は86億円しかありません |
ブラックロックが下値を支えてくれるのなら安心して買えますし、ブラックロックの投資運用チームは投資のプロだけでなく、様々な業界の専門家が投資運用チームに加わっており、業績だけでなく、投資家向けの書類には記載されない部分も評価しているのでしょうか。東都水産の時価総額は約86億円とブラックロックがカバーしている企業にしては予想外に小型株です。しかし、総資産は約249億円、自己資本も103億円と時価総額を上回っており、PBR0.8倍と割安圏にあります。
ウォーレンバフェットなど、バリュー投資を基本とする投資家は以前から東都水産をマークしていたと思いますが、値動きが無いことから資金回転効率の悪さから敬遠していたようです。ブラックロックの登場により値動きが軽くなり、浮動株は42.6%もあるので資金回転は良い銘柄ですから、東都水産に投機資金や短期資金も流入しています。
ブラックロックが使った投資資金は6億円以下、まだまだ買い増していくのか?
東京オリンピック開催が決定してから、本社が築地にある東都水産もオリンピック特需の恩恵が期待できる企業としても買われています。政府もオリンピック開催、カジノ法案成立もあり、東京湾岸、築地市場跡地の開発に本格的に乗り出すことから「国策に売りなし」になっており、東都水産の保有資産がどれだけ値騰がるのか注目です。海外の投資ファンドは業績よりも政府の政策恩恵を受ける銘柄を買う傾向が強く、政府による湾岸開発政策が具体化してくれば更に買い増ししてくるでしょう。
ブラックロックは保有比率を6.02%から7.41%まで引き上げていますが、保有株数は2983000株となっており、仮に平均取得単価を200円と仮定しても取得金額の合計は6億円程度です。東都水産の浮動株を全て買い占めても35億円程度ですから、ブラックロックが本気になれば1987年12月17日の上場来最高値1610円を超えてくる可能性もあるでしょう。
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