貸株注意喚起銘柄とは


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貸株注意喚起銘柄とは

貸株注意喚起銘柄とは、信用取引での売買量が増加したことにより、証券金融会社による株式の調達が困難になっている銘柄を証券会社や投資家に公表することで信用取引の利用に対する注意を促されている銘柄です。証券会社は、貸株注意喚起銘柄に指定された銘柄の信用取引の勧誘を自粛しなければなりません。貸し株の注意喚起がなければ、貸借取引の申込みの制限または停止が予告なく実施されることにより、投資家は決定された制限に従うのみしかありませんので、投資家保護の目的で行われます。



証券取引所(金融商品取引所)は、貸株注意喚起となった銘柄について、日々の信用取引残高を公開しています。貸株注意喚起銘柄に指定されても改善の無い場合は、金融商品取引業者に対して貸借取引申込みの制限または停止を行います。仕手株のようなに出来高が急増してしまった場合は、注意喚起通知を行わずに貸借取引申込みの制限・停止を行います。






【証券会社が投資家に説明の必要な銘柄】

1. 金融商品取引所が信用取引残高の日々公表銘柄に指定した銘柄
2. 金融商品取引所が信用取引に係る委託保証金の率の引上げ
3. 証券金融会社が貸株利用等に関する注意喚起通知を行った銘柄






【貸株注意喚起銘柄に指定される基準】

○信用取引の残高による基準
以下の項目に2つ以上該当した場合は、貸株注意喚起銘柄に指定されます。

 
日本証券金融
大阪証券金融
中部証券金融

制度信用取引売残高
上場株式数
(または制度信用取引売残高)
10%以上

(1万単位以上)
10%以上

(1万単位以上)
10%以上

(3千単位以上)

制度信用取引売残高
制度信用取引買残高
60%以上
60%以上
60%以上

貸借取引貸株残高
上場株式数
(または貸借取引貸株残高)かつ
貸借取引貸株残高

貸借取引融資残高
3%以上

(3千単位以上)

120%以上
3%以上

(3千単位以上)

-
3%以上

(1千5百単位以上)

-






○特性基準
MBOなどによる株式公開買付け、仕手戦などによる株の買占め、株式分割、決算期、株価の上昇要因などにより出来高の急増が予想される銘柄など、株式の調達が困難となる場合には、残高基準などに関係なく注意喚起が行われます。


貸株注意喚起銘柄に指定された銘柄は、将来的に信用売りが停止されるケースが多く見られます。仕手戦などでは、仕手筋の本尊による株の買占めが行われることにより、信用取引には制限が実施されますから、売り方は苦しくなります。貸株注意喚起銘柄に指定されると株価が上昇する傾向にあり、信用売りが出ない状況となることから、現物買いによる踏み上げ相場に発展します。


ディーラーや証券会社の自己売買部門は、ルール上参戦できなくなるとされていますから、更に仕手筋や短期資金により買い集められます。仕手戦で狙われる銘柄の特徴としては、浮動株比率の高い銘柄が多く、株を買い占めて新規売りをできないようにしてしまうので、注意喚起された銘柄の大量保有報告書の確認をして買い占めている投資家をチェックすることも必要です。









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