簿価とは
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簿価とは、不動産や有価証券、機械設備等の資産を購入したときの取得価格を会計処理し帳簿に記入された数値です。帳簿価額の略語で、不動産などの資産を取得した「取得価額」から「減価償却累計額」を控除した資産・負債の評価額が記入されており、簿価の合計額によって資産を評価します。2001年から「時価会計制度」が導入されており、保有資産の価値が下がってしまった場合は、簿価を時価に評価しなおして会計処理、損益計算書に計上する「減損会計」をおこないます。国際会計基準(IAS)では、資産を時価で評価する「時価会計」が採用されています。
【簿価計算】
簿価の計算式は、資産と負債、資本の勘定科目を合計した金額になります。
固定資産は決算期ごとに「減価償却費」として計上され、固定資産の簿価は取得金額から減価償却費を差し引いた金額になります。償却期間中に固定資産を破棄する場合は,残存簿価を特別損失として計上します。土地や有価証券(配当を含む)は簿価が時価を下回った場合は、時価により評価します。(投資簿価修正 期首・連結簿価)
【1億円の不動産を購入した場合】
1億円の不動産を購入した場合、時価が取得時の金額を上回り、損失が発生していない場合は、購入価格として計上された簿価のまま貸借対照表に記入されます。しかし、1億円で購入した不動産の時価が7000万円という評価額となってしまった場合は、1億円(簿価)から7000万円(時価)を差し引いた3000万円(評価損)を損失として計上します。
取得金額 |
時価 |
時価 |
1億円 |
1億3000万円 |
簿価のまま計上 |
1億円 |
7000万円 |
3000万円を損失計上 |
【村上ファンドと甲子園球場】
村上世彰氏が率いる「村上ファンド」が阪神電鉄株を買っていると話題になった時、阪神電鉄が保有している甲子園球場の土地の簿価を、取得時の購入価格の「800万円」で計上されていたことに目を付けた村上ファンド、その当時の甲子園球場の土地の時価は「約160億円」と言われていましたから、簿価の2000倍の時価評価となっていました。不動産や株などの有価証券等は、簿価と時価に極端な差がある場合、その資産が「ハゲタカ」や「乗っ取り屋」、「買収ファンド」などに狙われる危険性があります。
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