ストックオプションとは
|
ストックオプションとは、企業の取締役や従業員が一定期間内に、あらかじめ決められた株価で自社株式を購入(employee stock option)できる権利です。海外で広まった制度で、1997年5月の商法改正で日本企業もストックオプション制度を導入する企業が増加しました。ストックオプションは、発行企業の株価が上昇すればするほど、決められた購入価格との差が広がり売却益(キャピタルゲイン)が増加するので、取締役(ベンチャーキャピタル出向含)や社員が業績を伸ばそうとしますので、ボーナスなどで支払うよりもストックオプションを付与させて企業を成長させようとするベンチャー企業などが積極的に利用しています。
ストックオプションは、アメリカのマイクロソフトやアップルなどのIT企業などでも導入されている制度、IPO(新規公開)を目指している企業は優秀な人材を雇う資金がありませんし、事業への先行投資から社員に対して十分な給与やボーナスを支払うことができないので、ストックオプションを利用することになります。株式上場してストックオプションの権利を行使できれば多額のキャピタルゲインが得られます。しかし、ストックオプションの権利行使により利益を得た役員や社員が辞めてしまったり、他の企業へ移ったりすることもありますし、株式上場できなければストックオプションの権利行使ができず、役員や社員は結果的に少ない報酬で働いていたことになります。
ストックオプションに対する税金は、ストックオプションの権利行使により得た利益は、ストックオプションを発行した企業での勤務により得た成功報酬(株式報酬型)とみなされ、ストックオプション権利を行使した時点で給与所得として課税されます。日本の累進課税では、ストックオプションにより多額の報酬を得ても高額な税金が課せられますので、海外企業が発行しているストックオプションとは大きく異なります。外資系企業に勤める日本人も一時所得として処理されていたものが、給与所得として処理(2005年 最高裁判所判決)されるようになりました。また、ストックオプションは権利行使をしなくても税金が課せられますので、企業の株価が大幅に下落しまうと税金の支払いが大変になる場合があります。
ストック・オプションには、一定の要件を満している場合は税制上の優遇措置が適用され、ストック・オプション権利行使により得られた報酬が非課税となります。税制適格ストックオプション呼ばれ、それ以外は税制非適格ストックオプションと呼ばれています。
◎ストックオプション発行企業の取締役、従業員 ◎発行済株式総数の50%超を直接または間接に保有する法人の取締役、従業員 ◎付与決議から2年以上10年以内に権利を行使した場合 ◎ストックオプション権利行使価額が1,200 万円を超えない
◎ストックオプション権利行使時の株価が契約締結時の時価以上
|
|
|
|