株式分割とは |
株式分割とは、1株を何株かに分割することで、発行済み株式数を増やすことで流動性を高めることです。株式分割を行った場合、株主資本も同様に分割されるので、株主利益を損なうような資産価値の減少はありません。アメリカなどは、1株から株式投資ができますが、日本の場合は1000株単位が多く投資資金も高額になってしまうことから、上場企業は株式分割を行って少ない投資資金で株式が購入できるようにすることを目的として株式分割を行うケースが多く見られます。証券取引所も1株あたりの株価が50万円以下になるように求めていますし、個人投資家に人気の高いネット関連企業の株価が数百万円というケースも見られたことから、東証マザーズやJASDAQの新興企業は1000分割、100分割などの大幅な株式分割を行っていました。
株式分割は、株式の無償交付や無償増資、無償交付、無償増資と呼ばれていたのですが、1991年の商法改正で株式分割に統一されています。株式が分割によって増加しても、株主に持株数に応じて一定割合の株式を無償交付しても結果は同じになります。東証マザーズなどのネット関連は、IPO初値から人気化して50万円〜100万円になってしまうことが多く、株式上場した企業も上場間もなく株式分割を発表する企業もありました。株式分割を発表すると、株式分割の基準日(新株券を割り当ての確定日)から効力発生日まで株券が品薄となることから株価が急騰してしまうケースが見られましたし、新興企業が株式分割を発表すると、次の日は寄付きから買い気配となりストップ高というパターンが頻繁に起こっていました。現在は、基準日から効力発生日までの期間が短くなり、2006年から基準日の翌日が効力発生日となっています。
株式分割を行う際は、株主総会による特別決議などの必要はなく、取締役会設置会社では取締役会の決議のみで株式分割を行えるので、株主総会の前などに株式分割を発表して投資家の注目を集める企業もあり、ライブドア(エッジ)などは100分割を行っています。ネット関連企業は、不動産などの資産が少なく、株価が成長性への期待感から上昇しており、株式分割を行うと以前よりも割安になったと勘違いする投資家も多く、株式分割により更に株価が上昇して企業の時価総額が大きくなり、それによって企業買収などを繰り返して行くという錬金術のようにもなっていました。ライブドアショックもありましたが、取引所は大幅な株式分割行わないように要請しており、株式分割によるマネーゲームは見られなくなっています。
【株式分割のメリット】
○株式の流動性の向上
○少額から株券が買えるので個人株主(安定株主)が増える
○企業の成長性をアピールできる
○売買が活発になり株価が上昇しやすい
【株式分割のデメメリット】
○株主増加により、株主向けの資料作成費用などが増大
○株主総会が大規模になる
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