粗利益とは
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粗利益とは、売上総利益のことで、一般的には「荒利益」や「粗利」と呼ばれ、損益計算書上では、売上高から売上原価を差し引いて計算される利益です。P/L(損益計算書)で一番最初に現われる利益であり、非常に大雑把な利益ですが、最も重要な利益です。粗利が赤字となることはなく原価割れで販売する時のみ赤字となり、売れなかった商品は損益計算(P/L)から除外され、棚卸資産としてB/Sに残ります。粗利益(売上総利益)から販管費(販売費及び一般管理費)を引いたものが営業利益、営業利益に営業外費用を控除した利益が経常利益になり、粗利益を売上高で割ったものが粗利益率(売上総利益率)になります。
株式投資では、粗利益よりも粗利益率が重視され、粗利益率が高いビジネスモデルのある企業が機関投資家、証券アナリストなどから評価されます。粗利益を社員数で割った金額(社員1人当たりの粗利益)も投資では重要なポイントになっており、IPOする企業の成長性を判断する材料として重要視されます。医薬品・バイオベンチャーなどは、開発費用が膨大ですが、新薬が世界で承認販売された場合の粗利益率が高く、製造業や建設業、スーパーマーケットなどは粗利益率が低い傾向にあります。粗利益が数十億円でも、売上げが数千億円であれば、粗利益率は数パーセントになりますから、投資判断で重要になるのは、粗利益率になります。
【粗利益の計算方法】
粗利益 = 売上高 - 売上原価
原価が3万円の商品を5万円で10個販売した場合の粗利益は、売上げ高が5万円を10個売ったので50万円、売上原価は原価3万円を10個販売しているので30万円になります。売上高50万円から、30万円を引いた20万円が粗利益になります。
売上高(5万円×10個) - 売上原価(3万円×10個) = 20万円(粗利益)
【粗利益の計算方法】
粗利率 = 売上総利益 ÷ 売上高
売上高が50万円、売上総利益(粗利益)が20万円ですから、20万円を50万円で割ると40%が粗利益率となります。
売上総利益(20万円) ÷ 売上高(50万円) = 40%(0.4)粗利益率
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