仕立て株とは
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仕立て株とは、仕手株と同義語として使用される用語で、企業の業績や成長性とは関係なく、仕手筋や投機筋と言われる投資グループが大量の投資資金を使って作為的に株価を動かしている株のことです。東京証券取引所などに上場している公開株を対象にして、投資対象になっている企業の株価を上昇させたり、下落させ株価をコントロールすることにより大儲けを狙います。先物取引やオプション、FX(外国為替証拠金取引)等のデリバティブ市場では、機関投資家やヘッジファンドが中心の市場ですので、仕手筋等の投資グループは投資資金で負けてしまうので、参戦することは稀です。
仕立て株のように、大量の投資資金を使って株を買い集めて株価を暴騰させる(大量の空売りにより株価を暴落させる)投資グループによる仕手戦が過去に過去に行われ、会社の乗っ取りに発展するケースや仕手戦の投資資金を暴力団などからのブラックマネーであったことから、仕立て株という言葉のイメージは決して良くはありません。企業の業績や成長性とは無関係に株価が仕手筋の思惑により操作されていることから、「委託保証金率の引き上げ」(インサイダー取引・鉄砲取引を防ぐ目的)、「日々公表銘柄」、「貸株注意喚起銘柄」などの信用規制の対象にされます。
仕立て株とされる銘柄は、時価総額の小さな低位株、浮動株の比率が高い、大企業のグループ会社のように親会社等の特定株主がおらず、空売りが積み上がっている企業が対象になりやすいタイプです。浮動株がある程度なければ、株不足から売買規制や証拠金の引き上げの処置がとられますし、見せ板や振るい落とし、冷し玉などに使う株も仕立て株には必要になります。東証一部・二部、大証一部・二部の信用取引の空売りが可能な銘柄が仕立て株となります。
仕立て株は「買い方」と「売り方」に分かれて、株価を上昇させようとする買い方、空売りによって株価を下落させて安値で買い戻そうとする売り方の仕手戦になります。仕手戦は株式市場の状況にもよりますが、基本的には買い方が有利で、現物株を安値で仕込み、株価が急騰した時には株不足から、高額な逆日歩が発生、買い方による踏み上げ、新規の売建ての禁止により売り方が窮地に陥り、追い証発生によって高値買戻し、損切り(ロスカット)となるケースが仕手戦に多く見られます。
信用取引の返済期限が６ヶ月であることから、６ヶ月以内に売りは買い方に変わらざる負えず、逆日歩が発生している場合の売り方を見て、株価の吊り上げを狙った一般の投資家の買いも大量に入ることになり、更に株価が急騰することになります。一般投資家が買い参戦(高値掴み)して出来高が急増したタイミングで仕手筋は売り逃げを始め、株価急落からの振るい落とし(冷やし玉)などを繰り返しながら保有している株を売り抜けてしまいます。売り抜けを見分けることは難しく、大儲けのチャンスもありますが、危険性が高いのが仕立て株の特徴です。仕立て株化の兆候(初動)を見分けることも素人の投資家には不可能でしょう。
近年は、オプション取引やFX(外国為替証拠金取引)、ワラントなどの少ない投資資金でレバレッジの効いた取引ができるデリバティブ(金融派生商品)商品が増えたことにより、仕手戦が少なくっており、大量の資金が安値で買い集めて、株価が急騰する株(大化け株)を仕立て株という定義になってきています。ネット証券の普及により、割安な手数料、少ない証拠金により信用取引が可能になっていることで個人投資家が株式相場に参入しており、仕立て株の情報が２ちゃんねるやヤフー掲示板などに書き込まれ、噂など過去の仕立て株が連続ストップ高の急騰・爆騰することもあります。
大物仕手筋でなくても「風説の流布」や「見せ板」による株価操縦を行う投資グループもありますが、金融商品取引法に触れる行為は証券取引等監視委員会(金融庁)の取り締まり対象となり、逮捕される事件も起こっています。誠備グループや泰山を率いて「兜町の風雲児」と呼ばれた大物仕手筋の加藤暠(かとう あきら)氏が「般若の会」を結成して株式市場に本格復帰、ネット掲示板でも「Ｋ氏銘柄」と騒がれ、仕立て株が人気を集めています。
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