オプションの売り(コール・プット)とは
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オプションの売りは、オプションのプレミアムの購入価格以外に、原資産が思惑と逆に動いた場合はプレミアの変動分の損失分の証拠金を用意しなければなりません。オプションの買いがプレミアム価格に損失が限定されているのと違い、オプションの売りはプレミアムの変動によって発生する損失を支払う義務があります。損失をカバーできなくなった場合は損切りが必要になります。証拠金を用意できないで強制決済された場合などは、その損失を証券会社に支払う義務が発生し、支払う事ができない場合に自己破産しようとしても免責は認められていません。
株式投資と一緒に考えていては絶対にいけません。オプション取引は、ギャンブルと同列にしか法律は見てくれません。湾岸戦争時や911テロの時などは、安いオプションを売っていた投資家が地獄を見ました。翌日には、証券会社より証拠金の追加入金を要求され、支払えない場合は強制決済。買い戻しの買い板には、買い手はほとんど存在せず、ありえない遠い価格での強制決済でとんでもない損失をこうむり、証券会社への支払い義務が発生しました。※東日本大震災でも追い証(追加証拠金)の発生により破産した投資家が続出しています。
勝率9割という特殊な取引であるオプションの売り。株式投資や外国為替FXで負けていた投資家がオプションの売りで簡単に勝つ事を覚えてしまうと、オプションの売りしかできなくなるという方もいますが、10回取引して9回勝つ事ができても、1回負けただけでも大損失を出してしまう事もあります。オプションの売りに関しては、ネイキッド売りと言われるオプションの売りのみのポジションは非常に危険です。
以前は、証券会社によっては少ない証拠金でオプション売りができていましたが、最近は証券会社でも高い証拠金を必要とする証券会社が増えています。これは、個人投資家が机上の空論で売りポジションを取ってしまい、途中の機関投資家による振るい落とし等で、多くの証拠金の差し入れを要求されても用意できずに強制決済されている現状がうかがい知れます。
オプションの売り手の利益は、オプションを売った時のプレミアムに限定されます。また、オプションの買い方のタイム・ディケイよりプレミアムを日々受け取ることができます。データを取りますと相場の8割近くがレンジ相場を形成して、残りの2割が大きく変動するようです。データ的にはオプションの売りが圧倒的に有利ですが、原資産市場が急激に変動した場合は大きな損失が発生しますので、オプション買いと合わせてスプレッドを組むなどして慎重な取引が必要です。
コールオプションの売り |
コールオプション売りの勝率
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90%程度
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コールオプション売り 主な投資家
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機関投資家など豊富な資金を保有している投資家
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コールオプション売り リスク
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損失は無限大であり、銀行などが潰れたこともある
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証券会社からの追加証拠金
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SPANで計算され、相場が急変すれば割増しの要求あり
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オプション対象の原資産が急上昇
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ヘッジ、損切りなければ無限大の損失の可能性もあり
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オプション対象の原資産が小動き
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時間的価値の減少により利益が日々得られます
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オプション対象の原資産が急下落
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利益は得られますが、購入時のプレミアム価格に利益限定
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ボラティリティについて
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ボラティリティが急上昇などして平常時より高い時
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コールオプション売りの利点
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理論上は90%という高確率で利益が得られる
相場の8割はレンジ相場、小動き相場で確実な利益
スプレッドを上手く組み合わせてリスクヘッジが可能
投資資金の豊富な投資家にとっては最高の金融商品 |
プットオプションの売り |
プットオプション売りの勝率
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90%程度
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プットオプション売り 主な投資家
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機関投資家など豊富な資金を保有している投資家
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プットオプション売り リスク
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損失は無限大であり、銀行などが潰れたこともある
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証券会社からの追加証拠金
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SPANで計算され、相場が急変すれば割増しの要求あり
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オプション対象の原資産が急上昇
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利益は得られますが、購入時のプレミアム価格に利益限定
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オプション対象の原資産が小動き
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時間的価値の減少により利益が日々得られます
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オプション対象の原資産が急下落
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ヘッジ、損切りなければ無限大の損失の可能性もあり
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ボラティリティについて
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ボラティリティが急上昇などして平常時より高い時
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プットオプション売りの利点
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理論上は90%という高確率で利益が得られる
相場の8割はレンジ相場、小動き相場で確実な利益
スプレッドを上手く組み合わせてリスクヘッジが可能
投資資金の豊富な投資家にとっては最高の金融商品 |
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