ブックビルディングとは
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ブックビルディングとは、IPO(新規公開)する企業の募集・売出し価格(公開価格)を決定する時に、あらかじめ決定されている仮条件(機関投資家等のヒアリングを参考)を投資家に提示することにより、投資家の需要がどれ程あるのかを把握し、株式市場での実際の取引に即した公開株価を決定されますが、この需要を把握する需要積み上げ方式とも呼ばれている方法がブックビルディング方式です。ブックビルディングはIPOだけでなく、公募増資・株式の売出しの際にも行われます。上場企業の場合は、株価が株式市場で決定しているので、IPOのように公募価格や売出価格の決定はありませんが、ブックビルディングの需要によってディスカウント率(基準日の終値)を決定しています。
1997年までのIPO(Initial Public Offering)企業の公開価格の決定は入札方式のみでしたが、意図的に公開価格が高く設定される傾向にあり、株式市場での需要とのギャップから、IPO企業のIPO初値が公開価格を大きく下回ってしまうケースが問題となり、IPOの公開価格の設定に関しては、株価算定能力の高い機関投資家(投資ファンド)へのプレヒアリング(需要予測)に加え、実際に株式市場で売買する投資家の需要も公開価格に反映させることができるブックビルディング方式が導入され、IPOする企業は公開価格の決定にブックビルディング方式か入札方式のどちらかを選択することができるようになりました。
東証マザーズやJASDAQにIPOする企業は、売上高も経常利益・営業利益も少なく、時価総額の小さな企業が新規上場しますから、IPOは個人投資家に非常に人気が高く、ブックビルディング(需要申告)に数多くの投資家が応募、成長性の高いベンチャー企業の株はIPO初値が公開価格の数倍となるケースもあることから、プラチナチケットになっています。ブックビルディングの抽選で当選することがインターネット証券の普及によって簡単に応募できることから、応募する投資家が増加したことから、ブックビルディング当選することは難しくなっています。ブックビルディングの当選方法やテクニックを解説した情報商材やDVDが売られたこともありましたが、現在では使えない情報になっています。
ブックビルディングに応募するためには、前受け金が必要な証券会社が多く、仮条件決定してから前受け金が証券口座に入金(買付け余力)されている投資家のみがブックビルディングに応募(申告値段・申告株数)することができます。ブックビルディングの申し込み期間が終了してから公開価格が決定します。その後、ブックビルディングの抽選が行われ、当選(補欠・繰上げ当選)した投資家は申し込み期間内に申し込みを行います。デイトレーダーなどは前受け金制度を嫌って、ブックビルディングに応募しない投資家もいます。
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