ロングストラドルとは
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ロングストラドルとは、コールとプットの買いを行うことによって組まれるスプレッドです。ちなみに、オプションではロングは買い。ショートは売りとして使われます。相場が上昇すると予想して買うコールの買い、相場が下落すると予想して買うプットの買い。要するに、オプションが対象としている原資産が上昇しても下落しても利益が出ると言う夢のようなスプレッドということなのです。ロングストラドルは、同じ限月・同じ権利行使価格のオプションを同時に購入いたします(後に説明いたします、ストラングルと間違えないように)。特に優れた相場観などは必要なく、スプレッド取引を始めたばかりの初心者の方でも大きな利益を狙えるスプレッドがロングストラドルです。
ロングストラドルの解説を読んでいただいて、これならほったらかしで誰でもオプション取引で大きな利益が得られると考えているトレーダーさんもいるかと思います。確かに、原資産の相場が今後大きく上下することが予想される場合は、ロングストラドルが最高のスプレッド戦略となります。ロングストラドルのスプレッドポジション組む場合の損失の最大リスクは、コール・プットの買いに支払ったプレミアムに限定されているからです。損失限定、利益無限大というオプション投資家を含めた全ての投資家にとって夢のようなポジションを組むことができるのです。後は、原資産市場がどちらでもいいので大きく動くのを待っていればいいのです。果報は寝て待てというのが、ロングストラドルの醍醐味かもしれません。
アメリカの証券会社にオプション取引の口座開設をしますと、日本の証券会社とは比較できないほどの多くのオプションを取引することが可能になります。日本の証券会社で出来高がありスプレッドなどを組めるものは日経225オプション取引しかありません。アメリカやヨーロッパなどの証券会社では個別の企業株でスプレッド取引ができます。アメリカのグーグルやヤフーなどの日本でも有名な企業への投資が可能になるのです。個別企業のオプション取引は原資産である株式の動きが激しい銘柄ですと短期間で大きな利益が狙えます。
日経225は動きが少ないので、オプションの売りには確かに適していますが、ロングストラドルなどのコールとプットの買いのスプレッドでは時間的価値の減少(タイム・ディケイ)により日々、オプションのプレミアムが減少していきます。ですので、企業の倒産や大きな企業買収や事業提携、製薬会社であれば新薬の承認の発表などにより株価が急激に動きます。このような発表などがありそうなタイミングを見計らってロングストラドルのスプレッドポジションを組むのが効率的な投資手法になります。
ロングストラドルは相場の方向性を問わない投手法ですが、オプション取引なのでやはり、ボラティリティが非常に低く、相場が大きく動き出すというタイミングでスプレッドを組んでください。ボラティリティが高くなっていますと、仮にどちらかに大きく動いたとしてもボラティリティは低下していきます。また、ロングストラドルのポジションを組む場合は権利行使日が残り30日以上はあるオプションを選択してください。権利行使日が残り僅かのオプションを選択いたしますと、予想通りに動いても時間的価値の減少によりオプションのプレミアムは一気に削げてしまいます。
ロングストラドルは同一の権利行使価格のオプションを購入してのスプレッドになります。ですので、アットザマネーのオプションで組まれるロングストラドルポジションになります。アットザマネーのオプションなので、原資産と非常に近い動きをするオプションですので、ロングストラドルは短期的な投資スタイルに向いているスプレッドと言えます。オプションの買いで構成されているロングストラドルスプレッドですので、時間的価値の減少(タイム・ディケイ)との戦いがロングストラドルスプレッドを組んだときから始まります。スプレッド取引を始めたばかりの初心者のトレーダーさんはロングストラングルのポジションをロングストラドルより好む傾向にあると思います。
私もロングストラングルを組んでいました。しかし、アウトオブザマネーのオプションというのは原資産の価格変動に対する反応が非常に悪いのです。動きの激しい市場で取引されているオプションであれば問題ありませんが、日経225のオプションなどでは過去のデーターからすれば、ロングストラングルは向いていません。ロングストラドルは普段は動きが少ない、オプションの売りが向いている市場が動き出しそうな相場展開に向いているでしょう。アメリカの企業の株式を対象としたオプションや為替のオプションでポンドやトルコリラなどの通過ペアであればロングストラングルでもいいかもしれません。
スプレッド取引の解説本やDVD、講座セミナーなどでは、日経225オプション取引よりも外国のスプレッド取引の方が勝ち易いということが言われていると思います。これは、オプションの経験からも正しいと思っています。日経225では500円刻みになっています。外国のオプション取引では10円単位からオプションを選べますので、オプションの動きが激しく、日経225よりも少額の投資資金でオプション取引ができます。また、企業の株式を現物株で購入して配当や株主優待を受け取りながら、アウトオブザマネーの安いプットオプションなどを買ってヘッジをしておけば、現物株の値上り利益と配当金、株主優待、税制面での優遇も受けられます。
為替のオプションであれば、売買益とスワップ金利を受け取ることなども可能になります。日経225などで勉強しましたら、海外の証券会社に口座開設をしてスプレッド取引をスタートしてみるのが良いと思います。アットザマネーのオプションの買いのスプレッドであるロングストラドルは、オプション取引を勉強して始めたばかりの初心者の方には最もオプション取引のスプレッドの魅力を理解していただける投資手法だと思います。売り買いの両がけというギャンブルの胴元と言われる投資手法を1度体験してみてください。株式投資やFXなどで精神的なプレッシャーに押し潰されそうになっていたトレーダーの多くがトレードのストレスから開放されるのです。スプレッド取引は投資家を冷静にさせてくれるという利点もあるのです。オプションのスプレッドの素晴らしさを経験していただければと思います。
ロングストラドル 【スプレッド戦略】 |
スプレッド戦略名称
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ロングストラドル |
スプレッド構成 |
コールオプション買い プットオプション買い
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購入するオプション価格
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コール及びブットともアットザマネー
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購入するオプション限月
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権利行使日が直前とされる限月
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売買によるスプレッド最大利益
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無限大
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売買によるスプレッド最大損失
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コール、プットのオプション購入プレミアムに限定
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ロングストラドル戦略 1
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原資産が急速に乱高下しそうな時に購入
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ロングストラドル戦略 2
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ボラティリティが異常に低く、動き出す前
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ロングストラドル戦略 3
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長期間で大勝負するという時に有効
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ロングストラドル戦略ポイント
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ロングストラドルはボラティリティが低く、ボラティリティブレイクアウトの前に仕込みたい。ボラティリティが高い時は、予想通りに原資産市場が動いても利益が少なく、オプションの購入価格が非常に高くなってしまいます。 |
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