ベンチャーキャピタルとは
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ベンチャーキャピタルとは、投資家から集めた資金を未上場のベンチャー企業等に投資し、投資した企業が上場(IPO)したり、投資先の企業が成長した段階で、別の投資家(ファンド等)に保有株を売却することにより売却益(キャピタルゲイン)を得る(リスクキャピタル)ことを目的としています。ベンチャーキャピタル(venture capital)は、創業間もないベンチャー企業への資金提供だけでなく、IPOへ向けた経営コンサルティング(資本政策、第三者割当増資、ストックオプション、合併、企業買収M&A)、IPOコンサルティング(主幹事証券(ブックビルディング)、監査法人、法律事務所の選定)などを行い株式上場へ向けたシナリオ作り、取締役会に参加するなどして上場に協力します。
ベンチャーキャピタルは、証券会社や銀行などの金融機関の関連会社である場合が多く、主幹事証券への上場申請手続きなどの経験も豊富あることから、ベンチャー企業にとっては、ベンチャーキャピタルが株主になることで上場申請作業が円滑に進められます。国内最大のベンチャーキャピタルであるジャフコは野村證券グループであり、ジャフコが株主となっている場合は、野村證券が主幹事証券になることが多いのです。ジャフコなどの有力なベンチャーキャピタルが大株主になることが、成長性が高くIPOの可能性があるベンチャー企業との見方もできます。
ベンチャーキャピタルは、投資事業組合という組織で投資資金を運用しています。投資事業組合は法人格ではなく、投資事業組合の組合員は無限責任を負はなくてはなりませんでしたが、1998年から有限責任投資事業組合の設立が許可され、有限責任投資事業組合は業務執行組合員が無限責任を負い、他の組合員は出資額までの有限責任を法的に担保されています。投資事業組合では、法人税の対象にはならず、バイアウトやIPOにより投資利益(キャピタルゲイン)が得られた場合に課税されます。リミテッド・パートナーシップは、ジェネラル・パートナーが無限責任を追い、リミテッド・パートナーは出資金までの有限責任のみです。
ベンチャー・キャピタルは、プライベート・エクイティー(エクイティファイナンス)・オルタナティブ投資(代替投資)の代表的なもので、株式市場での株式投資と異なり流動性が低く、ハイリスク・ハイリターンの投資です。成長性の高いベンチャー企業へ投資をして、投資先の企業がIPOを果たし、IPO初値が公募価格の数倍にもなれば投資資金は数十倍から数百倍となります。投資をしたベンチャー企業が予想に反して成長できない場合や倒産してしまう可能性もありますが、仮に10社に投資をして1社しかIPO(新規公開)できなくても、投資資金を回収でき膨大な利益が出るという投資なのです。
ITバブル時にIPOしたヤフーは、IPO初値が154万円が最高で約3億5千万円(IPO時から保有したと仮定)になりました。IPO以前からヤフーに投資をしていたベンチャーキャピタルは株式分割で株数が増えていますから、1株を数千円から数万円で買っていると思われます。実際は、ヤフーの株価が1千万円を超えた時に殆どの投資家が売却してしまったようですが、中には気付いたら億万長者という投資家もいたと思います。ソニーも1958年に、東京通信工業株式会社からソニーに社名を変更して東京証券取引所に上場しましたが、上場時からソニー株を保有していた場合、数万円が30億円ぐらいになったと言われています。バブルの頃の話ですから、日経平均株価が高値(最高値:1989年12月29日 3万8915円87銭)を付けていた時代ですが、30年後に億万長者になれています。
ベンチャーキャピタルが投資を実行するステージは、以下の5ステージになります。シードステージが最もキャピタルゲインが期待できますが、投資した会社がIPOできる確立はレイターと比較して非常に低いものでしょう。ベンチャーキャピタルは、リスクを無くすために投資契約にはIPOできない場合の買い戻し条項が含まれていることが多いのです。
【ベンチャーキャピタルの投資ステージ】 @シード Aスタートアップ Bアーリー Cグロース Dレイター
ベンチャーキャピタルは金融系(証券会社、銀行(メガバンク・地方銀行・信用金庫)、保険系)政府・地方自治体、独立系、外資系など様々なタイプのベンチャーキャピタルが存在しています。シード・アーリーステージに積極的に投資をするタイプと、グロース・レイターステージに投資をするタイプに分かれ、金融系はグロース・レイター、独立系はシード・アーリーステージで投資をすることが多く見られます。
【主な上場ベンチャーキャピタル、VC事業】
フューチャーベンチャーキャピタル
ドリームインキュベータ
日本アジア投資 ジャフコ
サイバーエージェント
SBIホールディングス
オリックス スパークス・グループ トランス・コスモス
船井総合研究所
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