2011年3月11日に起こった「東日本大震災」によって福島第一原発事故が発生、これによって企業や一般家庭に対して節電が要請され、東日本大震災の被災地から、関東圏は計画的な停電が行われました。国内の広範囲で実施された節電により、消費電力削減に対する意識が高まり、消費電力を少なくできるエアコンや冷蔵庫、薄型テレビなどの販売が増加していましたが、気温が上昇する時期であったこともあり「扇風機」が前年比の4倍以上の売上げを記録しました。エアコンと扇風機を併用することにって室内の温度を効率的に下げられることから、手軽な節電対策として需要が増加、低価格の商品から消費電力削減タイプ、羽根が付いていないタイプなどの付加価値が付いている扇風機も発売されました。2011年のヒット商品ランキングでは「扇風機」が第3位となり、節電により最も売り上げを伸ばした家電製品です。
扇風機を製造しているメーカーでは、需要に生産が追いつかない状況になるなど、大震災による特需に対応するべくメーカーは生産体制を強化、中国などのアジア新興国に生産拠点を設立するなど、日本国内の原子力発電所が停止され長期化が予想される節電による需要が継続されます。2011年に続き、2012年も引き続き節電が行われますが、電力会社が供給できる電力量は2011と同程度と予想されていますが、原子力発電所の稼動再開が遅れるようであれば、2013年も夏季・冬季とも節電が続くことも考えられます。東京電力は電気料金の値上げを実施する予定ですから、企業や製造メーカー、一般家庭での扇風機需要が更に増加するでしょう。
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