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競馬、競艇、競輪、オートレースの中で、最も売上規模が小さく、苦しい経営状態が苦しいのがオートレース。千葉にあった船橋オートも観客減、売上減少に伴う累積赤字の増加によって廃止。関東には競馬場や競艇場、競輪場が多く、お客の奪い合いになるのは仕方がないが、船橋オートの廃止による選手及び関係者の危機感は相当なものだろう。
この状況にネット上でも、数十年後にはオートレースが無くなっているのではという声も数多く聞かれる。オートレースの売上がやばい状況というのは知ってたが、船橋オートが廃止になる原因になったのは、控除率を25%から30%に引き上げたからでしょう。
ただでさえ売上が少ないのに、控除率を引上げたらお客さんは来なくなるでしょ。新規のお客さんを集めるために、一時的にでも控除率を引下げるなら分かるけど。控除率を引下げれば施行者側の儲けは増えるけど、お客さんの儲けは確実に減る。オートレースの客は控除率なんて気にしないレベルの人間と考えていたのかもしれないけど、控除率が引下げられた2012年からオートレースの売上は200億円近くも減った。
これまでオートレース支えてきた高齢者のファンが減少するのは確実なのに、控除率が他の公営ギャンブルよりも高けりゃ若いファンだけじゃなく、競馬や競艇からお客が流れてこないでしょう。SGやG1開催時だけ2連単を80%にしてるようだけど、1番売上があるのは3連単だよね。東日本大震災があった2011年でも売上が831億円あったんだから、控除率を元に戻せばいいと考えてる俺はバカなのだろうか。
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相当厳しい状況下にあるオートレース界が一発逆転を狙って新たに発売した車券が「当たるんです」なのだ。4096分の1で必ず当たりが出る仕組みで、車券というよりは宝くじに近いものだろう。予想がいらないと書いてあるが、競馬のWIN5のように自分で勝つ選手を選べず、コンピューターがランダムに数字を選ぶシステム。
必ず的中者が出ることは分かるが、オートレースのようにハンデ頭の8番車が強いものでは、8番車が1つも入っていなければ数字を見た瞬間に外れの確立が高いはず。実際に、これまで対象レースで8番車が勝ったことが何度もある。低配当が多いオートレースは競馬のような何千万、何億円という配当は期待できないから、何とか1億円以上の配当が出る「当たるんです」を考えたんだろう。
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「当たるんです」のサイトには毎日最大1億円が誰かに当たると書いてある。しかし、これまでに1億円が当たった人は誰もいない。こう聞くと、何んか悪いことしてる奴がいるのかと思うかも知れないけど、これまで1度もギガが4096口完売したことがない。「当たるんです」は、ミニとメガ、ギガの3種類が発売されているが、これまでに成立したのはミニだけ。1口500円のミニでもオートレースが開催されている日に全て成立してなくて、数日に1回程度しか成立してない残念な状況。2017年に入ってから「当たるんです」の売上げは更に減って、ミニでも1月に2回成立するかしないか。
「当たるんです」の発売前はネットでも話題になってたし、フィギュアスケートのカナダ大会でも「当たるんです」の広告がリンクと観客席の間のスペースに出ていた。フィギュアスケートのファンが「当たるんです」の広告がなんの広告か分かる人なんていないだろ。俺も最初に見た時は驚いたけど、オートレース関係者は相当期待してるし、成功する自信があったんだと思う。それだけに、1度も1億円の当選者が出ない状況を発案者や関係者はどう考えているのだろうか?「毎日最大1億円」のキャッチコピーが滑稽で笑える。「当たるんです」じゃなく、「売れないんです」に名前を変えた方が宣伝になるだろう。全く売れない「当たるんです」を関係者は、あと何年続ける気なのか。
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1口の投資金額 |
最大払戻金 |
100円あたりの配当 |
当たるんです |
35000 |
1億円 |
285714 |
WIN5 |
100 |
6億円 |
600000000 |
チャリロト |
200 |
12億円 |
600000000 |
なぜ「当たるんです」が売れない理由を考えてみたい。最初に「当たるんです」の記事を見て思ったことは、「毎日最大1億円」というキャッチコピーが衝撃的ということ。1億円という数字を見ると凄い配当金が貰えると思いがちだけど、1口が3万5000円と常識的に考えて安くない。1ヵ月に3万5000円使うギャンブラーが少ない時代に高くないか?「当たるんです」の払戻金が1億円といっても100円単位で考えてみれば、100円が28万5714円になる程度。「当たるんです」は、100円単位で考えた場合、WIN5の約2100分の1にしかならない。最大1億円のギガが全く売れないのは当然ですよ。確率の面から考えても、WIN5と比較して有利とは言えない。
1億円の払戻金は射幸心を煽るには十分だが、関係者が思うほどギャンブラーもバカじゃない。競馬のWIN5なら100円が最大6億円、競輪のチャリロトも1口200円だが最大12億円(100円-6億円)という大金が手に入る可能性があるのだ。「当たるんです」は、キャリーオーバーがなく、必ず的中者が出るのが特徴だが、宝くじと比較するなら更に魅力がないゲームだ。宝くじは当選確率が低いが、1等の当選金は数億円だし、当選金には税金が一切かからない。「当たるんです」で1億円当てても税金を考えると実際は手取りで7500万円ぐらい、100円が21万4285円になる計算。一攫千金を狙うギャンブラーには魅力がなく、売れなくても仕方がないだろう。
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