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フィンランドのスーパーセル社の議決権付き株式51%を取得すると発表 |
ソフトバンクとガンホー・オンライン・エンターテイメントはフィンランドに設立するSPC(特別目的会社)を通じて、モバイル向けゲーム事業を展開するスーパーセル社(イルッカ・パーナネン)の議決権付き株式の51%を取得すると発表しています。株式の取得総額は15億3000万ドル(約1515億円)、ソフトバンクが約12億2400万ドル(約1212億円、出資比率80%)、ガンホー・オンラインが約3億600万ドル(約303億円、同20%)となっており、ソフトバンクの子会社、ガンホー・オンラインの持分法適用関連会社になります。
スーパーセル社は敵と戦いながら村を作るゲーム「クラッシュ・オブ・クラン」や、農業シミュレーションゲーム「ヘイ・デイ」が世界的に大ヒットしており、アップストア(iOS端末iPhone/iPad)のゲームアプリ売上高ランキングで、2013年2月から8月まで7カ月間連続で首位をキープしています。前期の2012年12月期は売上高104億円、営業利益52.1億円という驚異の利益率となっており、今期は世界的に大ヒットしたゲームの売上が加わることで、ガンホー・オンラインのように業績が上振れると予想されます。株式の取得金額からスーパーセルの時価総額を約3000億円と見積もっており、証券関係者は割安で同社の株式を取得できたと見ています。
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ソフトバンクの時価総額は8兆8848億円に拡大、上場企業全体で3位まで上昇 |
ソフトバンクはアメリカのスプリント・ネクステル・コーポレーションの買収を完了しており、携帯電話の契約者数を増やすためにガンホー・オンラインやスーパーセルをソフトバンクグループに入れています。携帯電話では世界的な企業となっているソフトバンクの時価総額は8兆8848億円まで拡大、上場企業全体で3位(10/13)まで上昇しており、2位の三菱UFJフィナンシャル・グループとの差は390億円ですから、株価の上昇が続けば数日後には2位になっているでしょう。孫正義社長は「Yahoo!ショッピング」や「ヤフオク!」のストア出店料と売上ロイヤリティ、出品手数料などを無料化すると発表して世間を驚かせたばかりで、これだけリスクを背負って勝負している経営者は少ないでしょう。
ソフトバンクは有利子負債をゼロにする計画を立てていましたが、スプリント社の買収資金1兆5000億円を銀行からの融資で調達したので有利子負債は4兆6176億円にまで増えています。しかし、1兆5000億円という資金を1週間で調達することに成功させており、これだけの買収を即決できるのは孫正義以外に存在しないでしょう。また、ボーダフォンに続き、スプリント買収を後押ししたのが社外取締役でファーストリテイリング会長兼社長の柳井正で、投資案件に関して反対することが多い柳井も臨時取締役会で孫正義の支援に回ったとされています。ITバブル以来、ソフトバンクの株価は12年ぶりの高値を更新しており、シコリ玉の少ない真空地帯に突入していますから、決算期を通過したヘッジファンドが買ってくれば青天井相場になる可能性もあるでしょう。
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