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仕手筋や投機筋、短期資金が中心の相場、高値掴みは危険です |
2013年11月20日にIPOすることが決定した「M&Aキャピタルパートナーズ」の株主になっていることが判明している「日本アジア投資」が買われています。日本アジア投資の保有比率は3.18%程度ですから、それほど業績に大きな影響を与えるものではありませんが、国内独立系ベンチャーキャピタルでは大手なので今後の展開を期待させられているようです。しかし、仕手筋や投機筋、短期資金が中心の相場ですし、業績や財務内容からは慎重に対応しなければ、高値掴みをして大きな損失を出してしまう危険性もあります。
2014年3月期第1四半期の連結業績は、営業収益が5.3億円前年同期比41.6%減)、営業損益が9.6億円の赤字(前年同期は2.4億円の赤字)とIPO市場が好調にもかかわらず業績は悪化しています。また、第1四半期にIPOした投資先企業はゼロという残念な状況になっており、昨年の同期は4社も投資先がIPOしているだけに、日本アジア投資も売り優勢の展開が続いていました。
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IPO前に仕込んで11月20日の寄付きで利益確定という狙いが |
直近は、損切りも空売りも少なくなっていましたが、売り方も100円以下のボロ株を空売りするよりも、割高になっている株を空売りする方が安全で短期で利益が出るということであって、日本アジア投資が割安ということではありません。2012年3月期と13年3月期の営業利益は2期連続で約20億円を超える赤字ですし、14年3月期も2億5000万円程度の黒字という数字です。総資産348億円に対し、自己資本9億9300万円ですから自己資本比率は2.9%しかなく、利益剰余金も53億円のマイナス、有利子負債は257億円もあります。
財務制限条項(前期より2期連続経常赤字)はなんとか回避のようですが、業績が予想以上に悪ければ「継続企業の前提に関する重要事象」や「継続企業の前提に関する注記」となっていく可能性もあり、値動きの軽さだけに飛付いて大損しないようにしなければなりません。M&AキャピタルパートナーのIPO時には再び激しく動き出しそうなので、IPO前に仕込んで11月20日の寄付きで利益確定という狙いも多そうですね。
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