連結決算とは |
連結決算とは、親会社や子会社などの資本的及び事実上の支配従属関係にある複数の企業を対象に単一の組織体として、組織全体の経営状況・財政状況を把握する決算方法のことです。支配会社が連結決算方式により作成された財務諸表を「連結財務諸表」と呼び、親会社や子会社の個別の財務諸表と比較して、グループ全体の経営状況や財務体質を知ることができます。
外国人投資家は個別財務諸表、単独決算ではなく、連結決算を重視する傾向にあり、海外の投資家が日本企業に投資しやすくするために、連結決算中心の開示制度になっています。連結財務諸表は、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結剰余金計算書、連結キャッシュフロー計算書、連結付属明細票により作成されています。
親会社と子会社間での取引や債権債務は相殺消去しなければなりません。親会社が子会社へ製品を売却しても、グループ企業間の取引は実際の取引ではないので、取引とは認められません。連結決算の対象となっている企業間の取引では、内部取引や内部利益(未実現損益)、売掛金、買掛金、受取手形、支払手形なども相殺消去(連結消去仕訳)します。
【連結決算の範囲】
【連結財務諸表】
グローバル化による国際会計基準、国際財務報告基準(IFRS)の導入などにより、日本企業外国人投資家向けに「連結財務諸表」を積極的に公開しています。連結決算を行うことにより、海外の機関投資家やヘッジファンドに自社の企業の経営状況を知ってもらえるメリットがあります。
連結財務諸表 |
連結貸借対照表 |
連結損益計算書 |
連結剰余金計算書 |
連結キャッシュフロー計算書 |
連結付属明細票 |
※2005年から大会社は、企業集団の財産及び損益の状況を示す連結計算書類の作成が求められています。会社法(旧商法)のディスクロージャー制度によるものです。出資比率・持株比率により子会社と関連会社(関係会社)に分けられますが、親会社の影響が強い場合は持分法(持分法適用会社)を適用します。国内の全ての100%子会社が、連結親法人を納税義務者として法人税を納める連結納税制度(国税庁)という制度もあります。
【連結財務諸表の作成順序・手順】
個別財務諸表の作成手順 |
@ |
資本、資産、負債の期首残高を算出する |
A |
仕訳け (期中仕訳・決算整理仕訳) |
B |
資本、資産、負債の期末残高の算出 |
上記の@〜Bにより個別企業(損益勘定、残高勘定)の個別財務諸表(個別会計上)が作成されます。基準性の原則により、連結決算日の決定、会計処理方法の決定、財務諸表の組替をします。上記のフロー(フローチャート)によって、連結対象となっている全ての企業の個別財務諸表が完成、次に個別財務諸表を合算することにより、連結財務諸表を作成します(開始仕訳)。監査法人が連結決算用に開発したシステムを利用することが増えています。
連結財務諸表の作成手順 |
@ |
親会社の個別財務諸表、子会社の個別財務諸表を合算する |
A |
親会社の投資勘定、子会社の資本勘定の相殺消去 |
B |
グループ企業内での内部取引の相殺消去 |
C |
グループ企業内での債権と債務の相殺消去 |
D |
棚卸資産等の未実現利益の相殺消去 |
E |
固定資産売却損益の相殺消去 |
F |
持分法の適用 |
G |
税効果の調整 |
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