村上ファンド事件と呼ばれる、2006年に村上ファンドがニッポン放送株でインサイダー取引を行ったとし、村上ファンド(株式会社M&Aコンサルティング・株式会社MACアセットマネジメント等グループ)の村上世彰(むらかみ
よしあき)氏が逮捕された事件がありました。2006年6月23日、証券取引法のインサイダー取引容疑で東京地方裁判所に起訴された村上世彰氏、2007年7月19日の第一審判決は懲役2年、罰金300万円、追徴金11億4900万円の実刑判決、2009年2月3日の控訴審は実刑とした1審判決を破棄し、懲役2年、執行猶予3年、罰金300万円、追徴金11億4900万円の有罪判決、2011年6月7日の最高裁判所は村上世彰氏の上告を棄却、懲役2年、執行猶予3年、罰金300万円、追徴金約11億4900万円とする東京高裁の判決で確定しています。
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村上ファンドのスタートは、1999年に通産省を退職した村上世彰が「株式会社エム・エー・シー」を設立したことから始まり、日本で初めてとされる敵対的TOBを仕掛けた昭栄、筆頭株主となりファッションビル建設の中止と自社株買いの株主提案を行った東京スタイルなど、ファンドを設立してから「物言う株主」として世間を騒がせていました。日本の機関投資家やファンドは、サイレントパートナーと呼ばれるタイプの株主が多かったことから、議決権を行使して、株主提案、取締役就任、委任状の争奪戦など積極的な行動を取る村上世彰氏は、誠備グループや泰山などで昭和の仕手戦を戦った加藤ロ氏のような仕手筋や投機家と思われていたようです。昭栄と東京スタイル事件に関しては、他の大株主や個人株主、経営陣の反対により失敗に終わっており、M&Aが盛んな海外と違い経営陣や社員が力を持っている日本では村上氏のようなスタイルは受け入れられにくいものでした。
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村上ファンドが過去に保有していた主な銘柄は、中村屋、エフ・ディ・シィ・プロダクツ、ダイドーリミテッド、サークルKサンクス、TRNコーポレーション、セブンシーズホールディングス、ウッドランド、特種製紙、ウッドランド、ヒューマネジメント・ジャパン、USEN、ホシデン、新日本無線、東京ソワール、東京放送ホールディングス、松坂屋、阪神電気鉄道、住友倉庫、日本証券金融、TBS、GMOインターネット、東京美装興業、日商エレクトロニクス、イワボ情報システム、大阪証券取引所、アライドマテリアル、日本医療事務センタ、ハイレックスコーポレーション、瑞光、JST、タカラ、東京ソワール、ニッポン放送、東京スタイル、日本フエルト、日商エレクトロニクスなどの株式を保有していました。 |