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信用取引の増担保規制が解除されても、信用倍率は1倍台のままです |
信用取引の増担保規制が実施されていた「熊谷組」の規制が解除されました。東京オリンピック開催決定による建設バブルの期待から国内外の投資家から買いが殺到したので、株式の調達が困難になっていました。オリンピック前の信用売残は40万株でしたが、開催が決定してからは3400万株と約85倍も空売りが増加しています。信用買残も995万株から3761万株まで急増しているので、証券取引所が規制をかけるのも当然です。信用規制は解除されましたが信用倍率は1倍台ですから、規制によって資金回転が悪くなった投機筋や短期資金が資金シフトさせたことで過熱感は収まっています。
しかし、株価が急騰しているので、空売りで売り崩せると考えている売り方は空売りを決済せずに担保規制が実施されても売り増しています。再び株式の調達が困難になり空売りが停止されれば売り方が負けてしまうので、空売りも全力で売り込んでいますが買い圧力の強さに押されています。年初来高値の更新が続き、空売りを仕掛けた投資家は評価損が拡大しているので、売り方は追証・強制決済の危機が迫っています。
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1964年に開催された東京オリンピック後の経済成長が再現される可能性があります |
東京オリンピック決定前の時価総額は200億円以下ですが、現在の時価総額は約517億円にまで拡大しています。総資産は1955億円、自己資本434億円(自己資本比率22.2%)、利益剰余金210億円なので株価は急騰していますが、決して割高ではありません。2013年3月期の営業利益は11億円の赤字だったので安値で放置されていましたが、2014年3月期は26億円の黒字になると予想しています。2015年3月期も増収増益が予想されていますし、東京オリンピック関連の建設工事やトンネル工事に実績があるので、リニア中央新幹線のトンネル工事の受注も期待できます。リニア中央新幹線の建設費は5兆円規模、東京オリンピックのメインスタジアムなどの施設建設費3557億円とは比較にならない巨大プロジェクトです。
「国策に売りなし」の建設株の中でも熊谷組は特需が期待できるので、株価は2006年の500円台を目指していくでしょう。500円台に乗せてくれば、上値を押さえるシコリ玉は無くなるので、青天井相場になりそうです。1964年の東京オリンピック開催に合わせて新幹線が開通、それから驚異的な経済成長が続きました。2020年の東京オリンピックもリニア中央新幹線が1部ですが開通し、再びバブル時代の日経平均株価の最高値38915.87円(1989年12月29日)を目指して行けば、熊谷組も上場来最高値2050円が見えてくるか。
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