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村上ファンドで知られる村上世彰が率いる「レノ」がMCJ株を大規模買い付けへ |
村上世彰が率いていた村上ファンドの関係者である三浦恵美氏が代表になっている「レノ」が、以前から株主になっていた「MCJ」に対して、大規模買い付け行為にかかる「意向表明書」を送っていたことが明らかになりました。アコーディア・ゴルフのTOB攻防戦に参戦するなど、株式市場を騒がせているレノですが、今回はマウスコンピューターブランドでパソコンの製造販売事業を展開しているMCJの株式を買い上げ、保有比率または議決権割合が20%以上にするようです。買い付け目的は純投資のようですが、保有目的は後で変更できるので、証券関係者はレノがMCJに対してどのような株主提案を行うのか注目されています。
個人投資家も過去に村上ファンドが絡んでいた銘柄で大儲けした経験のある人も多くいるようで、MCJで大勝負を宣言する投資家も出てきています。レノが村上ファンド関連ということを知らなかった投資家も多く、MCJだけでなく、ライブドアのニッポン放送問題の時に登場した北尾吉孝氏が率いるSBIホールディングスもレノが大株主になっていますから、SBIにも買いが入っています。
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東京スタイルのように自社株買いや、株主配当金の増配を要求してくるか |
レノが保有比率を引き上げていたことからMCJ経営陣も覚悟はしていたと思いますが、大規模買い付け行為にかかる「意向表明書」が送られてくると予想していたのでしょうか。MCJも「株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)」に則り、レノ社に対し、同社取締役会が今回の大規模買い付け行為の内容を検討するための必要な各種情報の提供を求めるようです。MCJもレノが保有比率を引き上げて、東京スタイルの時のように内部留保資産を使っての自社株買いを要求したり、株主配当金の増配、利益剰余金など内部留保金の使い方などに意見してくる可能性が考えられます。
東京スタイルの相場で有名になった村上氏ですが、同社の相場では個人投資家が東京スタイルを支持したことや、外国人投資家の一部の委任状が不達となったことで村上ファンドが負けていますし、昭栄に対する敵対的TOBも失敗、インサイダー取引で逮捕されています。個人的には大きな勝負で失敗しているイメージがあり、MCJはどのような結末になるのでしょうか。
敵対的買収に発展することになれば、北尾吉孝がホワイトナイトになる可能性もあるか?
MCJの時価総額は株価急騰によって100億円を超えてきていますが、それまでの時価総額は80億円程度の小型株でした。小型株にもかかわらず浮動株は9.2%と少なく、レノが保有比率を引き上げるとなれば株価は流動株の少なさから爆騰してしまいます。信用買いしかできない信用銘柄ですから値動きが激しくなりやすく、株価が急騰すれば連続ストップ高、狼狽売りがでれば連続ストップ安になるタイプです。MCJは村上ファンドが狙う企業らしく割安銘柄であり、総資産は447億円、自己資本180億円、利益剰余金61億円とキャッシュリッチのバリュー銘柄です。
レノと三浦恵美、中島章智名義で100億円以下の割安時に買い集められているので、仮に反対勢力が現れても大損する可能性は少ないでしょう。気になるのは、北尾吉孝氏が率いるSBIホールディングスのSBI証券もMCJの大株主になっていることです。ライブドアによるニッポン放送買収問題でフジテレビのホワイトナイトになっているように、堀江貴文氏や村上氏のようなタイプの人間を北尾氏は好まないと思います。
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