自社株買いとは
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自社株買いとは、株式会社が自ら発行した株式を買戻すことです。自社株買いを実施することにより浮動株比率が低下しますし、発行済株式総数から自己株式数を引いて計算する1株利益が増えることから、自社株買いは投資家から好意的に評価されます。自社株買いは、1890年に制定された商法では禁止されていた行為ですが、その後の商法改正により、自社株消却(株式消却)や営業譲渡、ストックオプション付与などに自社株買いの条件が緩和、自己株券買付状況報告書の提出がなども義務付けられていました。
2001年の商法改正では、配当可能利益の範囲内であれば株主総会の決議により自社株買いが可能となり、金庫株解禁という言葉がニュースなどで使用されていました。2003年には、取締役会決議に基づく自己の株式の取得が解禁となり、自社株買いを実施する企業が増加しました。自社株買いと株式の配当を合算したものを総還元額と言われ、自社株買いは株主に対する利益還元の姿勢を示す行為と見られています。
企業は自社株買いを発表時に取得期限、取得上限株数(自己株を除く発行済み株式総数の割合)、上限金額を発表することから、取得上限金額を取得上限株数で割って算出された株価まで株価が上昇することが多く、自社株買いは株価材料として買いを集めます。上場企業も株価が割安であると言う投資家へのアナウンス効果もあり、リーマンショックによる株価下落時には多くの企業が自社株買いを実施しています。
1994年 株式消却目的の自社株買いが解禁
自己株券買付状況報告書の提出が義務付けられた
1997年 商法改正により、ストックオプション制度が導入
ストックオプションを目的とした自社株買いが解禁
取締役会決議で利益により株式消却が可能
2001年 配当可能利益の範囲内なら定時株主総会の決議で実施可能
目的を問わずに、自社株を取得・保有が可能(金庫株)
【自社株買い】
@株主資本利益率(ROE)の改善
A一株利益(EPS)の改善
B投資家へ適正株価をアナウンスする効果
C金庫株として保有
D株式交換によるM&A、M&Aの防御
E株主に利益を還元する
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