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LTCMについて



Long-Term Capital Management(ロングタームキャピタルマネジメント)とは
 
 LTCMをデイトレ帝旺が知ったのは、ジョージ・ソロスのファンドについて調査していた時にLCMという存在を知りました。天才数学者がトレードの世界で歴史的な大成功を納めたにもかかわらず、数年後にはLTCMは破綻という道をだとりました。映画にでもすれば面白と思いましたが、実際に映画かドラマになっていたようです。僅か数年ではありましたが、歴史的な大成功と破綻という天国から地獄を経験した投資ファンドについて紹介いたします。

 LTCMはソロモン・ブラザーズの債券トレーダーであったジョン・メリウェザーを中心にデリバティブの価格付け理論であるブラック-ショールズ方程式の考案者であるマイロン・ショールズ、ロバート・マートン(両者は1997年のノーベル経済学賞を受賞しています)、FRBの副議長であったデビッド・マリンズなどが取締役として参加していました。有名なトレーダーであったジョン・メリウェザー、FRBの副議長であったデビッド・マリンズとノーベル経済学賞を受賞した数学者の投資ファンドということ、バスケットのドリームチームなどになぞらえて「ドリームチーム運用」とまで言われました。

 このLTCMは、ファンドの運用開始時に12億5000万ドルというファンド創始時のものとしては過去最高の運用資金を集めています。日本の住友銀行のほか、台湾銀行、バンコク銀行、イタリア銀行などの海外の金融機関のほか、シンガポール政府投資公社、クウェートの年金基金やナイキのフィル・ナイト、ベア・スターンズのジェームズ・ケイン、セント・ジョーンズ大学、イェシバ大学などもLTCMに出資していました。ファンドの運用開始時にこれほどの資金を集める事ができたのはデビッド・マリンズの人脈などによるところが多いと言われていますが、有名トレーダーと天才数学者による金融デリバティブに対する新しい投資アプローチに対する期待が大きかったと思います。

 LTCMは理論的に割高・割安になっている状態の債権やオプションが理論的価値へと収縮していくという過去のデーターから、割高に対しては売り、割安に対しては買いという裁定取引を行っていました。コンピューターの計算により様々な投資対象に対して同様の取引を行っていました。非常に安全性の高い取引でしたが、利益はあまり狙えない取引手法であったので、レバレッジを効かせての取引でした投資の成功で膨らんだ資金で新たにモーゲージ取引や金利スワップ取引などへ手を広げて行きました。LTCMは売買はコンピュータでプログラミングされており、自動でこの売買を何千回、何万回と機械的に繰り返していました。この売買プログラムを作成したのがノーベル経済学賞を受賞したマイロン・ショールズ、ロバート・マートンでした。LTCMはスタートからの数年は大成功を納めて、取締役陣も鼻が高かったようで、投資をしてくれた顧客への対応は非常に横柄であったという意見もあります。

 ウォール街の注目を集めていたLTCMですが、多くのファンドや著名な投資家がLTCMの投資手法を真似てくるようになってきました。LTCMの独占的な収益の場が多くの投資家によって荒らされるようになってしまったのです。LTCMは従来のようなパフォーマンスが出せなくなってくると、流動性の低い危険な商品への取引などを余儀なくされましたが、レバレッジ投資でカバーして、LTCMの投資資金は当初の4倍近くに膨れ上がっていました。この間、LTCMは更なる投資資金を銀行などの金融機関から集めています。








 LTCMは世界経済へ大きな影響を与える投資ファンドへと成長を続けていくと思われましたが、アジア通貨危機を契機に、1998年に起こったロシア経済危機がLTCMの運命を大きく変えてしまいます。ロシアの債務不履行宣言により、新興国の債券・株式から投資資金の回避が続きました。それらの投資資金は米国債など安全な債券へと向かいました。信用度の低いジャンク債は売られました。ロシアの経済危機によるこの債権買い、ジャンク債売りはパニック的な行き過ぎた売買によるもので、LTCMは時間経過により理論的な価格へと収縮すると考え、割高と判断した米国債を大量に売り、割安と判断したジャンク債を大量に買っていました。しかし、投資家の米国債買い、ジャンク債売りは継続されていきました。この間に、LTCMの運用資金の半分以上を失ったといわれています。損切りするにも流動性も低くなっていたので、高値で買い戻ししなくてはならず、悪循環になっていたということもあります。

 また、LTCMの投資手法を真似ていた投資ファンドや投資家も破綻していきました。有名なのは、ジュリアン・ロバートソンのタイガーファンドが破綻しましたし、ジョージ・ソロスも低リスクのファンド運営に変更すると宣言しました。しかし、ジョージ・ソロスはLTCMへ窮地に陥れるためなのか、エマージングマーケットに売りを浴びせたと非難されました。ジョン・メリウェザーは暗にソロスや投資銀行関係者を非難していました。

 LTCMの事実上の破綻が明らかになった時、ニューヨーク連邦準備銀行が救済に乗り出すことになります。17兆円分とも言われるLTCM保有の債券が売りに出されれば、、アジア危機、ロシア危機で混乱していた経済状況が更に混乱してしまう可能性がありました。ニューヨーク連邦準備銀行の指導でLTCMに資金を提供していた15銀行が、LTCMに資金を融通し、LTCM経営破綻となり市場がパニックにならないように協力を要請しました。また、アメリカはグリーンスパンにより、短期金利のFFレートを3ヶ月間で3回引き下げるという異例の対応策をとりました。

 LTCMの破綻が確実になった時、ゴールドマン・サックス、ジョージ・ソロス、ウォーレン・バフェットなどの投資銀行や投資ファンドはLTCMのノウハウを格安の金額でLTCMを買収して独占しようと考えました。最終的な精算方法が協議されている時、ウォーレン・バフェットはマイクロソフトのビルゲイツと旅行中でした。電話でやり取りしながらLTCM買収しようと画策したウォーレン・バフェットでしたが失敗してしまいます。ウォーレン・バフェットはビルゲイツに対して高くついた旅行だったと嘆いたようです。

 相場の世界では時々、びつくりするようなニュースが飛び込んできます。LTCMの破綻もその1つでした。どんな有効な投資スキームも次第に多くの投資家が真似するようになり、効果が無くなる。過去のデーターに基づいた投資がいかに役に立たないか、レバレッジを効かした投資がどれほどリスキーかが分かります。相場で勝つことの難しさをLTCMの事件が教えてくれたと思います。







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