転換社債型新株予約権付社債とは |
転換社債型新株予約権付社債とは、事前に決められた転換価額(株価)で株式に転換することができる権利のある社債です。2001年の商法改正により、金庫株が解禁されたことで新株予約権の行使に対しては新株の発行・金庫株による交付方法となり、社債は普通社債と新株予約権付社債に分けられるようになりました。
転換社債型新株予約権付社債は、転換社債の転換価額よりも株価が上回れば(理論上のパリティ価格)、株式に転換するか(株価に連動して値上り)、株価が値下した場合は転換しないで満期日(満期償還)まで待っていれば、社債の利息(クーポン)を受け取ることができます。
転換社債は、利回りが株式の配当利回りよりも高く設定される場合が多く、利息は日割り計算で行われます。転換社債型新株予約権付社債は、ワラント債と区別されていたのですが、2002年4月1日の改正商法の施行により、転換社債とワラント債は新株予約権付社債とされたことから、転換社債は転換社債型新株予約権付社債、ワラント債は新株予約権付社債と区別して呼ばれるようなになりました。
転換社債型新株予約権付社債は、株価が上昇しても下落しても利益が得られる金融商品であり、転換社債型新株予約権付社債を発行した企業と購入者(債権者)にメリットがありますが、発行元の信用が著しく低下してしまった場合は、償還損や売却損が発生しますし、企業も負債を現金で支払う必要があります。転換社債型新株予約権付社債の発行は上場している企業(転換社債型新株予約権付社債が取引所に上場されていることもあります)だけでなく、IPO前のベンチャー企業もベンチャーキャピタルファイナンスにおいて転換社債型新株予約権付社債を利用しています。
【ライブドアのニッポン放送買収問題でも利用されたCB】
転換社債型新株予約権付社債が広く投資家に知られるようになった例としては、ライブドアが立会外取引でニッポン放送株を取得した際に、サンライズファイナンス(リーマン関連)から買収資金588億2500万円を借り入れ、主幹事証券のリーマン・ブラザーズ証券に800億円の転換社債型新株予約権付社債(CB)を発行したことがテレビのニュース番組でも報道されていました。
ニッポン放送はフジテレビジョンを引受先とする新株予約権の発行によりM&A(敵対的買収)を防ごうとしましたが、裁判所は「著しく不公正な方法による発行にあたる」として、ライブドアの新株予約権の発行差し止め請求を認めています。ホワイトナイトやグリーンメイラー、ポイズンビルなどの証券用語、村上ファンド(村上世彰代表)、SBI証券の北尾吉孝氏などもテレビに取り上げられていました。
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