トラストとは
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トラストとは、同一業種の複数の企業が市場の支配、利益の確保を目的として、持ち株会社の設立や株式の持合い、受託などを行うことによって、複数の企業を一体化(企業合同)させる経営業態のことです。トラストでは、参加している企業に独自性・独立性がなく、経営的・経済的な自由が制限されるというデメリットがあるが、価格設定や流通量を調整することにより市場をコントロールすることができ、価格競争が起こらないことから利益の確保が容易となり、開発費や設備投資などを積極的に行うことができます。アメリカでは、トラストの成功例が多くあり、アメリカを代表する企業がトラスト形態によって成長しました。
トラストによって市場が独占される状態となれば、商品価格が割高に設定される可能性があり、消費者にとっては不利益となる場合があります。トラストの形態が必ずしも「独占禁止法」となるわけではありませんが、過度のトラストは独占禁止法の禁止事項にあたる場合があります。公正取引委員会が過度のトラストと判断した場合は、排除措置命令や課徴金納付命令などの処分がなされます。トラストは市場独占形態と定義されていることから、企業の買収や合併(分割)、事業譲受が過度のトラストとならないのか注意が必要になります。
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