繰延資産とは |
繰延資産とは、対象物への支払が終わっているもので、支払った対象物から得られる効果が将来にわたって継続される費用(資産の取得に要した費用及び前払費用を除く)であり、合理的な期間にわたって償却できる資産です。繰延資産は期間を配分して会計処理されるため、経過的に貸借対照表の資産の部に記載されます。税法上の繰延資産には「会計上の繰延資産」と「税務上の繰延資産」の2種類があります。
2005年の商法改正によって、繰延資産は会社法により会計処理されることにりました。繰延資産に対する限定列挙が廃止され、企業会計基準委員会によって「繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い」が公開され、株式交付費、社債発行費等(新株予約権発行費を含む)、開業費、創立費、開発費を繰延資産としています。
【会計上の繰延資産】
創立費 |
設立登記までに要した費用。発起人への報酬、登録免許税等 |
5年 |
開業費 |
設立登記後営業開始までに要した費用 |
5年 |
試験研究費 |
新製品、新技術の研究の為に特別に支出した費用 |
5年 |
開発費 |
新技術、新資源の開発、新市場の開拓に要した費用 |
5年 |
株式交付費 |
会社設立後、新たに株式を発行するために要した費用 |
3年 |
社債発行費 |
社債発行に要した費用 |
※ |
社債発行差金 |
社債の券面価格(満期時の償還金額)と発行価格との差額 |
※ |
※社債償還期間内の均等償却 ※社債発行費の償却期間は、社債の償還期限内になっています。
【税務上の繰延資産】
自己が便益を受ける公共的施設又は共同的施設の設置又は改良のために支出する費用 |
道路舗装 同業者団体の会館建設負担金 商店街のアーケード、日よけ等の設置負担金 |
資産を賃借し又は使用するために支出する権利金、立退料その他の費用 |
建物を賃借する際の権利金、立退料等 電子計算機を賃借する際の引取運賃、据付費等 |
役務の提供を受けるために支出する権利金その他の費用 |
ノウハウの設定契約に係る頭金 |
製品等の広告宣伝の用に供する資産を贈与したことにより生ずる費用 |
看板、ネオンサイン、陳列棚等の贈与費用 |
上記以外に、自己が便益を受けるために支出する費用 |
同業者団体の加入金 出版権の設定の対価 職業運動選手の契約金 |
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